咲-Saki-の天江衣が使う難解な言葉を調べてみた。



はいどうも。
いきなりなんですけど、咲-Saki-面白いっすねえ。
TVアニメ「咲-Saki-」シリーズスペシャルサイト
つうても、アニメ始まってからコミックス買ったにわかなんですけど。
で、咲-Saki-に出てくる天江衣って、むちゃくちゃ難解な言葉遣いするじゃないですか。
まあ、字面でなんとなーく意味は分かるんですけど、ちょっと調べてみたくなったので、軽く辞書引いたり、検索してみたりしたっす。
以下、その結果をつらつらと。ちなみにどれを調べるかは俺が独断と偏見で決定しました。あしからず。

  • 三巻

今度のは金剛不壊に出来てる?
それは衣の莫逆の友になるか
贄か供御となるか

小林立咲-Saki-」三巻P159-P161

「金剛不壊」は、

きわめて堅固で、こわれないこと

「莫逆」は、

非常に親しい間柄。

のこと。
「供御」は、

天皇の飲食物、時には、上皇・皇后・皇子の飲食物をいう語。武家時代には将軍の飲食物をもいった

まあ、ここら辺はまだ全然マシな感じですね。それほど難しい漢字もないし、意味も字面から想像しやすいもんが多いと思います。
唯一、「供御」はちょっと、字面だけだと分かんないかなーってとこですね。

ハギヨシ素敵滅法!
ペンギンが根堅洲国から帰ってきた!

小林立咲-Saki-」三巻P169

「滅法」は、

仏教用語で、因縁に支配される世界を超え、絶対に生滅変化しない真如や涅槃といった絶対的真理のこと

「根堅洲国」は、古事記に出てくる言葉で、根の国のこと。

根の国は、その入口を黄泉の国と同じ黄泉平坂(よもつひらさか)としている記述が『古事記』にあり(大国主の神話)、一般には根の国と黄泉の国は同じものと考えられている。

なんかもう、すでにわけの分からないことに(笑)。
まあ、ハギヨシの技のすごさを、例えて、こういう言い方をしたのかもしれませんが(笑)。
あと、「根堅洲国」が黄泉の国だってのは、なんとなく知ってましたねー。
※20100210追記
コメント欄で教えていただいて初めて知ったんですけど、「素敵滅法」って

「すてき」を強めた言い方。

だったんですね。
つまり、「ハギヨシ素敵滅法!」は「ハギヨシSUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!」って感じか(笑)。
(追記終わり)

  • 四巻

父君と母君が黄壌に去った時――
群がってきた人間共の陋習な様を思い出す

小林立咲-Saki-」四巻P19

「黄壌」とは、

死後の世界。黄泉。

のこと。
「陋習」とは、

いやしい習慣。悪い習慣。

のこと。
ここらは、文脈からして、意味は明らか……なんだけど。
うーん。
「陋習」がいやしい習慣だとすると、「陋習な様」はイマイチ意味が通じてないような気も……。
まあ、「いやしい習慣のままに行動する様」みてーな意味合いで使ってんでしょうけどね。

居るのか…
妖異幻怪の気形が!!

小林立咲-Saki-」四巻P20

まあ、「妖異幻怪」は分かるんですよね、これ。
「妖異」は、

あやしくて普通ではないこと。また、そのさまや、そのようなもの。

のことで、「幻怪」は、

怪しいこと。不思議なこと

で、大体おんなじ様な意味合いなんですけど、問題は「気形」なんですよね。
検索しても、全然出てこないし、手持ちの辞書にも載ってない。
多分、妖怪変化の「変化」みたいな意味だと思うんですけど……。
ちなみに、「変化」は、

神仏などが本来の形を変えて種々の姿を現すこと。また、その現れたもの。権化(ごんげ)。

って意味なんですけどね。
とりあえず、この件に関しては、ほかの人に期待。


20120105追記:
麻さんから、

気形(きぎょう)って生き物。動物。って意味みたいですね。

というコメントをいただいたので改めて調べてみたところ、yahoo辞書にて以下の記述が出て来ました。

き‐ぎょう[:ギャウ]【気形】-日本国語大辞典
〔名〕①根源のはたらきが、具象化すること。また、その具象化されたもの。*日本書紀桃源抄〔15C後〕中「陰陽の気形を以て云時は、東西を以て云ぞ」②生き物。生物。下学集や節用集などでは、意味分類の一つに「 ...

なんで途中で切れてるかって言うと、これ正確に言うとyahoo辞書じゃなくてジャパンナレッジっていう有料サイトの検索結果が表示されてて、要するに
「全文見たきゃお金払ってね」
っていう話なんですよね。
いつからyahoo辞書とジャパンナレッジがこういう連携を始めたのかイマイチ覚えないんですけど、この記事を書いた当時はまだなかったんじゃないかな……と、言い訳しておきます(笑)。


まあ、何にせよ、麻さんのおっしゃる通り、気形は「生き物」「動物」という意味でよさそうです。
(追記終わり)



皇都だ江都だトウキョウだ!

小林立咲-Saki-」四巻P189

皇都は説明するまでもないけど、「江都」は、

江戸の異称

らしい。

あの時食べたハンバーグエビフライの味が夢寐にも忘れられないんだ

小林立咲-Saki-」四巻P192

意外に、「夢寐にも忘れない」って、

眠っている間も忘れない。かたときも忘れない。

って意味の慣用句だったんすね。

  • 五巻

無聊を託つ
清澄の大将は厄介だと聞いてうきうきしてたけど
乏しいな
闕望したよ
そろそろ御戸開きといこうか

小林立咲-Saki-」五巻P50-51

「無聊」は、

退屈なこと。心が楽しまないこと。気が晴れないこと

で、「託つ」は、

心が満たされず、不平を言う。ぐちをこぼす。嘆く

こと。
「闕望」は「気形」と同じく出てこないけど、漢和辞典で、闕を調べると、
「欠ける」
「足りない」
「むなしい」
などの意味があるようなので、失望したとか、物足りないとかいう意味だと思われる。
まあ、文脈から明らかだけど。
「御戸開き」は神社で行われる神事の一種らしい。ネットで検索してもよく分からなかったんだけど、津島神社さん(津島神社 TOP)によると、

本殿御扉を開き内陣に神饌を供す

そうで、

参拝者が本殿を間近に拝する事が出来る仏教的な「御開帳」の意があるのかもしれない。

とのこと。

呉越同舟――
地の利は人の和に如かず?
そんな戮力通用するものか…!

小林立咲-Saki-」五巻P106

「地の利は人の和に如かず」は、

いかに土地の形勢が有利であっても、一致団結している人々の力には及ばない


という孟子の言葉で、「戮力」は、

力を合わせること。協力。

の意。
実は、調べてて、「戮力」=「協力」が一番びっくりした。
読んでるときは、なんとなく、「非力」とか、「屁のつっぱり」みたいな意味かと思ってたわい。
ちゅうか、「戮」に

力を合わせる

って意味があるなんて、初めて知ったでござる。

昏鐘鳴の音が聞こえるか?

小林立咲-Saki-」五巻P122

昏鐘鳴とは、

夕方の梵鐘を鳴らすこと。その時刻、時分をこういう。まさに、夕陽が西の空に傾きかけ家路を急ぐころに、お寺の鐘がゴォオーンと鳴り響くという時分を表現することばがこの「こじみ【昏鐘鳴】」なのである

ははあ、あれですか……。

烏滸言を!!

烏滸は、

愚かなこと。ばかげていること。

つまり、「烏滸言を!!」は、「馬鹿なことを!!」ってことっすね。


ああ、やれやれ。やっと終わった。
このネタならさくっと更新できると思ったら、すげえ時間かかってしまった。
ああ、しんど。
そういや、言い忘れてましたけど、これ、書いてる途中で間違って公開してしまったんで、一回記事消してます。すんません。


20090725追記
続き書きました。
咲-Saki-六巻発売記念 続・咲-Saki-の天江衣が使う難解な言葉を調べてみた。 - 一切余計

BGM:「黄昏の海」See-Saw