ザ・ジョーカー 亡命者(大沢在昌著)

とりあえず、読書について語ることがあんまりないので、ちょっと語る。この本は、僕の大好きな大沢先生の最新作。どのくらい好きかというと、ハードカバーの高い本を買ってしまうくらい(笑)。
学生の身では、その千数百円がきついんだよ!(笑)

もう、帯のあおりで電撃が走るね。これ。

子供(ガキ)には理解不能の美学がある。

これだけで買う価値がある!!まあ、これが無くても、大沢先生の作品だから、買うけど。
内容的には短編集です。いや、連作集か。まあ、どれもこれも面白い。

読んでて思うのは、主人公のジョーカーと呼ばれる男の懐の深さというか。まあ、懐ではないんだけど。よーするに、この主人公って、恐らく、四十代なんですけど、そういう、ある程度歳を重ねた人間にしかだせない深みってあるよなあ…っていう。四十年間生きてきたら、そりゃいろいろあるだろう。二十代の人間や、十代の人間とは大違いなわけですよ。
歴史が違う。
でも、あんまり設定は無い。まあ、無いわけではないんだろうけど。設定はあまり細かく決まっているわけではないんだろうけど、バックグラウンドにあるものがある。逆に、ラノベなんかだと、設定が細かく決まっていて、それはそれでいいけど、設定に縛られるというか…。上手く言えないな(笑)。


設定が細かく設定されているのが悪いわけじゃないんだけど。細かく設定されていない、バックグラウンドの漠然とした何かが、彼の人物を深くしているような気がする。

俺などには、到底たどり着けない境地。