私はどこ? ここは誰?

卒論のため、自らの立ち位置を確認するために、「自由論」を読んでいた私だが、本当に、この本は示唆に富む本だと思う次第。
例えば、

何びとも、単に酩酊しているからといって、処罰されるべきではない。しかし、兵士または警官が公務中に酩酊しているならば、処罰されてしかるべきである。要するに、個人に対してか、あるいは公衆に対して、明確な損害または明確な損害の危険が存在する場合には、問題は自由の領域から除かれて道徳や法律の領域に移されるのである。

とか。確かに酩酊は誉められた事ではないけれど、それだけを理由にして干渉すべきではない、ということです。
今問題になっている、アニメやゲームに置き換えると、こうなるのかな?(笑)

何びとも、単にエロゲーをやっているからといって、処罰されるべきではない。しかし、彼が、その影響を受けて、何らかの犯罪行動に出るならば、処罰されてしかるべきである。要するに、個人に対してか、あるいは公衆に対して、明確な損害または明確な損害の危険が存在する場合には、問題は自由の領域から除かれて道徳や法律の領域に移されるのである。

とか(笑)。
まあ、僕自身は、エロゲーはあんまりやらないんですけど。エロゲーって言うか、アドベンチャーゲームがあんまり好きじゃないというか。ちなみに、ノベルゲームはやったことないっす。

でもなあ…、なんつーか、アニメやゲームの規制について、あんまり卒論でやる気にならないのは、それが、あまりにも馬鹿げた(というと語弊があるかも知んないけど)話だから、すぐに終わってしまって、議論が深まらない感じがするからなんだけど。

大体、昨今の凶悪事件を起こしたやつは、アニメ・ゲームオタク→アニメやゲームが悪い、アニメ・ゲームオタクは凶悪事件を起こす。

っていう論理がおかしいだろ。だったら、車による人身事故を起こすやつは、車を持っている・車に乗っている→車に乗る、車を持っているやつは事件を起こす、車が悪い。

ってなるんかい。もしも、そういうものが規制されるんだったら、事件を起こしたやつが、そういうものを持っている、じゃなくて、そういうものを持っているやつが事件を起こすっていうことがちゃんと言えないとあかん。前者が事実だとしても、後者が事実とは限らないだろうが、この場合。
しかも、そういう犯罪原因って言うのは、犯罪学が長い事研究してきて、未だに、深め切れていないようなものなので、素人考えで簡単に言えるわけがない。

うーん、やっぱり、テーマとしては面白いし、やりがいもあるんだろうけど、法哲学として深い議論ができるかといわれると、なんかなあ。