デセプション・ポイントを読んだ。(ネタバレ気味に)

デセプション・ポイント〈上〉 (角川文庫)

デセプション・ポイント〈上〉 (角川文庫)

デセプション・ポイント〈下〉 (角川文庫)

デセプション・ポイント〈下〉 (角川文庫)

今までのダン・ブラウンの本の中では一番マシかもしれないなと思った。
ダヴィンチ・コードにしろ、天使と悪魔にしろ、まず語りたい設定というか、ノンフィクションの部分があって、それを語るためにお話を作ったって感じだったんだけど、今回は逆な気がする。つうか、そういう語りたいノンフィクションの部分があんまりないな。これ。相変わらず良く調べてはいるし、それに頼ってる感じはするけど、お話のために、それがあるって感じがする。

ぶっちゃけた話、ストーリーテラーとしてのダン・ブラウンは微妙の一言に尽きるというのが僕の印象だったんだよね。それはまあ、複雑怪奇かつ単純な理由があって、ダヴィンチ・コードを読む前にテレビでやってたそれ関連の特番を見たせいで、ノンフィクションの部分に関してはほとんどネタバレしていたという僕の事情があったわけですよ。で、そういうノンフィクション的な部分を抜きにしてダヴィンチ・コードのストーリーを見ると、割と大したもんでもなかったという。

でもまあ、今回は多少マシだったな、と思った。わりとダン・ブラウンの評価が上向いたよ。今までが底値だっただけかもしれんけども。結局のところダン・ブラウンのストーリーって、一つしかないんだけど、そのスタイルに磨きがかかってきてる気がした。

あと、細かいところに触れると、蓮っ葉口調のツンデレという物凄い萌えキャラが出てきたんだけど、真っ先に死んでしまって少し萎えた。

なんということ。

まあ、そんなこんなで。



                                     BGM:「銀河の煌」佐々木功