赤木ファイルと「佐川局長の指示」の意味

 赤木さんが「本省の対応」と題した備忘記録には、佐川氏に関する記述があった。学園に国有地を売却した際の「売り払い決議書」について、佐川氏から「国会答弁を踏まえた修正を行うよう指示(調書の開示により新しい情報を与えることがないよう)があったとのこと」と記載。理財局の担当者が3月20日に財務局に送ったメールには佐川氏の指示を裏付ける内容が含まれ、「修正後、局長説明を行う予定」との文言もあった。


 一方、赤木さんが改ざんの経緯をまとめた文書には「佐川局長に説明後、再修正」「局長説明済み」などと記され、本省の職員が佐川氏に報告しながら改ざんを進めた様子がうかがわれる。同年3月20日、本省職員が財務局に送ったメールには「局長の指示により、国会答弁を踏まえた上で作成するよう直接指示がありました」と佐川氏の関与が明記されていた。


既に手記の中で、

元は、すべて、佐川理財局長の指示です。


赤木雅子・相澤冬樹著「私は真実が知りたい」P242


と書かれていたとはいえ、それを裏付けるメールが出てきたことの意味は決して小さくねえんじゃねえでしょうか。


どうしてかというと、国は、

「佐川局長は改ざんの指示はしていない」

って言ってるから。


(強調下線は筆者)

○今井委員 そこをどうしてこだわられるのかよくわかりませんけれども。まあ、でも、質が悪いとおっしゃいましたから、今は悪質だということですね。
 ちょっとこれを読んでいて、私、まだこの文書を信用できないところがあるんですけれども、まず、佐川さんの関与について書いてあるんですが、改ざんの方向性を決定づけたと認められるとは書いてあるんですけれども、その後、全貌までは承知していたわけではないが、責任者であり、さらに、一連の問題行為が森友学園案件に関する自分自身の国会答弁との関係に起因していたことも踏まえればと。
 意味がちょっとわからないんですけれども。これは佐川さんが改ざんを指示したということですか。どういうことですか。よく意味がわからないんですが。


○矢野政府参考人 佐川局長は、この報告書に書いておりますとおり、応接録の廃棄につきましても文書管理ルールに従うものだと言い、それを部下に廃棄の指示だと受けとめさせてしまったということがございますし、また、決裁文書の改ざんにつきましても、局長の方から、そうした記載のある文書、ドキュメントが外に出ていくこと自体がよろしくないという反応をし、それが部下にとって破棄をするものだという指示と受け取られたということとなって、全体として破棄や改ざんが行われていった責任者であったわけですし。
 また、決裁文書につきましては、遅くとも三月の二十日のころには決裁文書をいじっているということも認識していたと認められるということが私どもの調査結果でございますので、今申し上げたようなことで、局長として破棄と改ざんにつきまして主導的な役割を果たしているということだと存じます。


○今井委員 改ざんを指示したのか、改ざんしたのを後で知って容認したのか、どっちですか。


○矢野政府参考人 報告書に書いてあるとおりでございますけれども、今般の調査報告におきましては、佐川前局長につきましては、改ざんを明確に指示したというふうには認定をいたしておりません。



要するに、国は、


「佐川局長自身は指示してない。そう受け取られるようなことを言った結果部下が指示だと思った」

みてえなことを言ってたわけですよ。


にもかかわらず今回開示されたファイルには、

『「局長の指示により、国会答弁を踏まえた上で作成するよう直接指示がありました」』

とか、

『「佐川局長に説明後、再修正」』

とかいう記述があると。


うん。
話がちょっと違いやしませんかね。


指示したのかしてないのかって結構大きいところのような気がするので、そこが揺らぐってことになると、財務省の調査自体どうだったのって話になってくるわけですよ。


そんなわけで、冒頭にも書いたとおり、佐川さんの指示云々という記述の意味は決して小さくはないんじゃないか。


という今日はそんな話でした。