縦だか横だか分からんステーキは縦でも横でも良いかもしれないけど、文章は……
GOD AND GOLEM, Inc. -annex A- - 森博嗣の「縦書き」論（と『人間失格』）
この辺を見て思ったこと。
縦書きと横書きに何らかの有意な差はあるか？
そりゃあるだろう。
と俺は思う。
何故か。
文字というのは、視覚で捉えるものである。つまりは、画像情報なのである。画像の向きが違っていれば、見え方が違うのはむしろ当然ではないだろうか。
たしかに、横でも縦でも、内容には変わりがない。
だが、写真を横にしても縦にしても見え方や印象が全く変わらないと言う人間は居ないのではないだろうか。
写っているもの自体には変化はないはずなのだが……。
しかしながら、そこでどういう印象の差があるのか、というのは、専門家ではないのでイマイチ分からないし、森博嗣の
縦書きだと、全部作りもので嘘っぽく思えてしまう
という感覚もいまひとつ分からないものがある。
ただ思ったのは、恐らくそれは人間の視界と関係があるのではないか、ということである。
ちょっと考えてみれば分かるだろうが、人間の視界は縦よりも横に広いと思う。*1
ワイド（横長）テレビ・画面はあるが、縦長のテレビや液晶は見たことがない。あってもほぼ正方形だろう。
要するに、人の視線は横移動の方がしやすいのではないかと思うのである。*2
そうであるならば、横書きと縦書きにおいて、人が感じるストレス（？）には違いがあって当然ではないか。
横書きであまり改行がなくて、左から右までびっちり文章が詰めて書いてあると、左右の移動が多くなる。
逆に、縦書きであまり改行がなくて、上から下までびっちり（ｒｙあると、上下の移動が多くなる。
そして、視線が左右を行ったり来たりするよりも、上下を行ったり来たりするときに、ストレスを感じやすいのではないだろうか。
つまり横書きは、文字を詰め込んで、ぎっちり書いていくのに向いていて、縦書きはガシガシ改行していく方に向いているということができるような気もする。*3
とか思って、ひょっとして、そうなら、縦書きと横書きで一文の長さに差が出るんじゃなかろうかと思って
GOD AND GOLEM, Inc. -annex A- - タテ書き・ヨコ書き・パソ書き：博報堂社会調査
で紹介されてたPDFをダウンロードして、文章をいくつか分析してみた。（流石に全部は無理だったので、Y・Hさん、K・Oさん、M・Oさんの三つでやってみた。やり方としては、ワードの文章校正機能で、文の長さなどを分析)
すると、そこには驚くべき結果が！！！！
なんと予想の真逆に近いような結果が出たのである！！！
サンプルとしては上述したとおり、三人の文章を取った。それぞれ１、２、３という番号で記載する。
１−縦書き
文字数：295
単語数：122
文の数：４
平均文長：73.7
１−横書き
文字数：319
単語数：126
文の数：5
平均文長：63.8
１−PC
文字数：490
単語数：198
文の数：7
平均文長：70.0
２−縦書き
文字数：258
単語数：101
文の数：7
平均文長：36.8
２−横書き
文字数：330
単語数：128
文の数：11
平均文長：30
２−PC
文字数：264
単語数：103
文の数：7
平均文長：37.7
３−縦書き
文字数：423
単語数：134
文の数：12
平均文長：35.2
３−横書き
文字数：451
単語数：147
文の数：14
平均文長：32.2
３−PC
文字数：416
単語数：148
文の数：10
平均文長：41.6
一文の長さでは縦の方が長いくらいだと！？
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何だこの結果……
……いや、ちょっと待て！平均はそうかもしれんが、この平均の分布が分からないじゃないか！
よし、おのおのについて、一番長い文章の長さを比べてみよう！！
１−縦書き
文字数：295
単語数：122
文の数：４
平均文長：73.7
一番長い文の長さ：107
１−横書き
文字数：319
単語数：126
文の数：5
平均文長：63.8
一番長い文の長さ：102
１−PC
文字数：490
単語数：198
文の数：7
平均文長：70.0
一番長い文の長さ：161
２−縦書き
文字数：258
単語数：101
文の数：7
平均文長：36.8
一番長い文の長さ：49
２−横書き
文字数：330
単語数：128
文の数：11
平均文長：30
一番長い文の長さ：49
２−PC
文字数：264
単語数：103
文の数：7
平均文長：37.7
一番長い文の長さ：58
３−縦書き
文字数：423
単語数：134
文の数：12
平均文長：35.2
一番長い文の長さ：72
３−横書き
文字数：451
単語数：147
文の数：14
平均文長：32.2
一番長い文の長さ：71
３−PC
文字数：416
単語数：148
文の数：10
平均文長：41.6
一番長い文の長さ：106
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なんという結果……*4
まあでも、この調査って
行変えや一字下げなどは反映させていません
らしいので、実際の文章を見たときの印象とは異なるかもしれませんが。
だって上でも改行って言ってるのに、この資料では、改行の多さとか全然反映されてないんだもん。
つうか一文の長さには、縦書き横書きよりも内容のほうが関係ありそう。
エッセイとかなら短そうだけど、論文とかでは長くなりがちだと思うし。
しかし縦書きと横書きで改行にどんな差があるかは結構重要な気も。
横書きで改行をガシガシしていくと、要するに下に文章が伸びていくから、上下移動が多くなるんだよな。
これは結構ストレスになる。
以前の紅茶さんとこ（TRPGのススメ？）とか、島本和彦先生のブログ（島本の感想文）とかが、横書きなのにガシガシ改行して行って、すごい読みづらかったような気がする。
まあパソコンの場面だと、ずっとスクロールしていかなきゃならんってのもあるんだが。その点、本は一定のところで上に戻る（次のページの先頭に行く）からちょっと違うのかも。
とかなんとか、適当に思った。
ただ、注でも言ったけど、これはかなり単純な話をしてる。段組とか、携帯の画面ならどうなるのか、とかで
結構変わってくると思う。
ので、全部に通じるような話ではないと思う。
けど、その辺まで分析するのは時間がないから、誰かにお任せ。
つかね、今日も時間があったわけじゃないんだけど、無理やりにでも書いていかないと、話題を見て、
「俺もなんか書こうかな」とか思ってるうちに余裕で一ヶ月くらい経つわけですよ。
それはそれでどうかと。
まあ、うちはわが道をゆけばいいと思ってるから、時間がたってから何食わぬ顔で書いても良いんだけどね。
そんなこんなで。
