第一回チキチキDESTNYヒロイン決定戦・2

それでは、今回は、一回戦第二試合ルナマリア・ホークアビー・ウィンザーをお送りします。




ルナマリア・ホーク選手、アビー・ウィンザー選手、まもなく、試合開始です。闘技場へお越しください」
「わかったわ。…ところで、アビー?」
「…?」
「この試合のキャッチフレーズ、知ってる?」
「いいえ」
核兵器VS竹槍よ…。お先に失礼(バタン)」
「…っ」

「……」
「どうしたんだい?暗い顔をして」
「あなたは?」
「名乗るほどの者じゃないさ。どうやら、あの赤服のお嬢ちゃんに、何か言われたらしいな」
「どうして、それを!?」
「そんなことを言われて悔しくないか?あの子を見返してやりたくはないのか?」
「それは…、でも、ルナマリアの言っていることは本当です。私ではあの子には勝てません」
「そりゃそうだろう」
「!?」
「君では勝てないだろう。しかし、君の決心一つで、彼女を土に塗れさせる事ができるとしたら?」
「それは…?」
「簡単な事さ、仔猫ちゃん♪(がしっ)」
「あ…っ」


「皆さん、大変長らくお待たせしました。ただいまより、一回戦第二試合を開始いたします。まず、玄武の方角、新世代の赤担当!ルナマリア・ホーク!続きまして、朱雀の方角…え、何ですって…?えー、みなさん、大変残念なお知らせがあります。対戦相手のアビー・ウィンザー選手ですが、体調不良のため、欠場との事です」
「逃げたわね…、まあいいわ」
「よって、今回は、リザーバーの登場となります!!」
「り、リザーバー?!聞いてないわよ!?」
「改めまして、朱雀の方角より、普通っぽさが大人気!ミリアリア・ハウ!!」
「だ、誰よ、あの子?!」


「やれやれ、どうやら上手く行ったか。もし失敗したら、刺されるところだったかな。やっぱり、俺は不可能を可能にする男だな」
「…んぅ」


「はじめ!!」


「誰だか知らないけど、私の敵じゃないわ!」
「それはどうなのかなあ?」
「何ですって?!」
「私、彼を殺されて、その殺したコーディネーターとちょっといい雰囲気になったりしたんだ。これって、まさに悲劇のヒロイン、そして、そのヒロインを襲う、運命のいたずらってやつ?」
「何言ってるのよ、あんなグレイト言うしかセリフのないような男なんて、どうでもいいでしょ!アスランにすごい勢いでせまって、いろいろアプローチしてたんだから!こんなに、乙女してたのが、他に居た?」


「いきなり激しい応酬!」
「うむ。双方とも、必殺の一撃を惜しみなく放っている。こう着状態に見えるが、勝負は一瞬でつくだろう」


「確かに、あなたはアスランに対して、とってもヒロインらしい一面を見せていたわ」
「ほら見なさい!」
「でも、それでアスランとはどうなったの?上手く行ったのかな?」
「そ、それは…」
「上手く行かずに、それどころか、妹に寝取られちゃったんだよね。それで、他の男に走った…」
「シ、シンは、DESTNYの主人公なのよ!そことくっついた私が、ヒロインに決まってるじゃない!」
「え?誰が主人公なのよ?」
「!」


「おおっと。ここで致命的なセリフが出ました。私としては、オンエア時にこの試合がノーカットで放送されるのを望むのみです!」
「だが、この状況…」


「それに引き換え、私は、あいつをふっちゃったのよ?安易な妥協はしなかったってワケどう?負けを認める?」
「ふふふふふ」
「な、なによ」
「貴方の攻撃、いや、貴方には致命的な弱点があるわ」
「えっ?」
「それは、貴方の今まで攻撃のほとんどが、DESTNYではなく、SEEDにおけるものだということよ!」
「!!」
「これは、DESTNYのヒロインが誰だったのかを決める戦い!最早、貴方の攻撃は通用しない!」
「そ、そんな!」
「食らえ!ラストに主人公に膝枕!」
「きゃああああっ!!!!???」


「勝負ありいっ!!!」


「今、赤服を身にまとった、ザフトのエースが高々と腕を掲げました!勝利のガッツポーズです!!」


「議長、今回の試合は、リザーバーの登場を含め、波乱含みでしたね」
「うむ。私としては、アビー君の容態が気にかかるところだが」
「特に危険はないとのことでしたが」
「うむ……」
「議長、なにか?」
「いや、なんでもない。で、今の試合だが」
「ええ。ミリアリア選手は予想以上に健闘したと思いますが」
「うむ。彼女も前の戦いでは、フレイによってささくれ立った視聴者の心を癒してくれる、普通の女の子として活躍したからな。そのおかげだろう」
「確かに、普通というのも、なかなか得難いパーソナリティですね」
「そのとおりだ。しかし、彼女はいささか、ルナマリアを侮ったようだ」
「というと?」
「確かに、彼女は、放映開始当初こそ、全くシンとの絡みがなかったが、アスラン脱走以降は、シンとの関係で言えば、正統派ヒロインそのものだったからな。妹を失った、と思ったことで、シンと同じ傷を持つもの同士になったことも、ポイントだ」
「なるほど。あの、シンの胸で泣いたシーンは印象的でした。ちなみに、彼と彼女の関係については諸説あるようですが
「まあ、それについてはだな、私の見るところ…」
「といったところで、CMです!!」




今日はここまで。