ブログを書く上で絶対に使ってはならない表現

いつになく釣り臭いというか、今流行りのライフハック的なタイトルをつけてみましたが内容的にはそう大したもんでもありません。

これはあくまでも個人的なルールとして自分に課しているんですが、ブログの文章を書くとき、この表現だけは絶対に使うまいと心に決めている表現があります。

それは(苦笑)という表現です。


何でこういうことを思ったかというと、そこはそれ、説明困難かつ複雑怪奇な理由があるのですが、端的に言うと、僕が他のブログでこの表現を見ると、何ともいえない不快感を味わってしまうからなのです。
しかしながら、不快になるのは確かとはいえ、微妙にその理由が分からなかったんですよ、これが。何でこんなに不快になるのかな、と常々首を捻っていたんですが、先夜卒然と悟りました。

要するに、(苦笑)=(嘲笑)なのではないか、と。

嘲笑があからさまに嘲笑うことだとするのならば、苦笑とは暗に嘲笑うことではないのか、と。

勿論、そうではない(苦笑)もあります。しかし、ネット上では、そういう(苦笑)の方が圧倒的に多い気がするのです。

そう考えると、(苦笑)が何故不快なのか、分かるような気がします。誰かが誰かを嘲笑している様というのは、大抵の場合、醜悪なのです。品がない、と言っても良い。
嘲笑というのは辞書的な定義によると、

人をばかにして笑う。せせら笑う

ということです。
馬鹿にしているということは、その相手を下に見ている、自分より下の位置に貶めているということです。つまり、相手を対等な相手と認めていないということです。
そして、そういう様は、第三者の目から見ると、いかにも「尊大」なのです。だからこそ、不快なのではないでしょうか。*1

しかもそういう苦笑は、あからさまにそれをするのではなく、腹の底では馬鹿にしている、ということなのではないでしょうか。あからさまにやれば良いというものではないのですが、暗にそれをするというのは、恐ろしく陰湿に思えます。

僕は苦笑というオブラートの向こうに、そういうものを感じてしまうのです。
だからこそ、これほどまでに(苦笑)は不快なのではなかろうか、と、そんな風に思いました。





とまあ、ここからは余談。

上では、苦笑は嘲笑であることが多い、といいましたが、無論、そうではない場合もあります。
苦笑というのは、これまた辞書的な定義では

他人または自分の行動やおかれた状況の愚かしさ・こっけいさに、不快感やとまどいの気持ちをもちながら、しかたなく笑うこと。

ということらしいです。要するに、苦笑には他人に対するものと自分に対するものがあるんですよね。でまあ、自分に対する苦笑というと、どこか自嘲的であったり、照れ笑いっぽくなったりすると思うんで、上で語ったような不快感を呼び起こすことはあんまりないような気がします。


具体的に言うと昔、酒のCMで松本幸四郎が見せた苦笑は何ともいえない「良い苦笑」だった気がします。なんかウィスキー(かな? おいら酒には詳しくないんで)のオンザロックを作って、氷を思わず指でかき回してしまう……、そこで「この癖だけは直らない」(みたいな台詞だったと思う。うろ覚え)と、照れくさそうに笑う。というCMだったんですが。あの苦笑は何ともいえなかった。
また、有名どころでは花の慶次の「手前にもわかりませぬ」の微笑なんかも、「良い苦笑」なんじゃないかな、と思います。

とか延々書いてきたけど、結局のところ(苦笑)が尊大さにたいするオブラートのように機能している場合、それが不快になってしまうのであって、そういうものが向こう側にさえなければOKだってだけの話のような気がしてきた。
しかもそう考えると、たとえ(苦笑)じゃなくてただの(笑)であっても、そういうものが向こう側にある場合不快になってしまうということだよな。

まあ、おいらが(笑)を多用するのは、どっちかというと逆というか、表現を和らげるためなんだが。
たとえば、「これはひどい」ってのと「これはひどい(笑)」ってのとだと、全然印象が違う。特に僕のようにツッコミ体質で、ビーンボール級のネタを振っていくという芸風だと、そういう風にしていかないと印象が悪くなる。*2
「なんでやねん!」ってそれだけみたら、ちょっと怒ってるみたいに思われるかもしれんけど、「なんでやねん(笑)」だったら、全然そんな感じはしない。やっぱり、その辺のニュアンスというか空気ってな文章では伝わりにくいから、その辺に気を使っているつもりなのだが。結果として文章の末尾が(笑)だらけになるのも考え物なんだけどね(笑)。

まあ、(笑)をつかうときは、それが(嘲笑)に置き換えられないか? ということに気をつける必要があるのやもしれませんなあ。


続き(?)
人というものも、これはこれでなかなか馬鹿に出来ないんですよ。 - 古木の虚



BGM:「炎のさだめ」TETSU

*1:まあ、おいらにもそういう部分が無いとは言いきれませんが

*2:http://d.hatena.ne.jp/mimizuku004/20070724/1185298016参照