文章(言葉)の伝達力には二種類ある?

とか、そんなようなことを、最近考えた。
最近ってな、いつの話かっていうと、「島本和彦はひとのこといえるのか問題」について、島本信者の俺が書く。 - 古木の虚の中で、追記として、逆境ナイン

無理が通れば――!!


道理は引っ込む!!

の意味合いを説明しようとして、四苦八苦してたときのことなんだけどさ。
これ、ほんとに説明しようとすると説明しにくくてさ(笑)。でも、漫画読んでて、

無理が通れば――!!


道理は引っ込む!!

って出たときは、なんかすごい納得しちゃったというか、納得させられたはずなんだよね。
あんなに納得させられたのに、人に説明できないってな、どういうことなのよ?
って思ったわけですよ。
んで、ひょっとして、そういう文章の伝達力というか伝達方法には、少なくとも二つの種類があるんでねえのかと。
つまり、それは、
インパクト」

「分かりやすさ(情報量)」
の二つではないか、と。なんか微妙にネーミングセンス無さ過ぎるので分かりにくいですけど。


つまりは、「短い文章・フレーズ」で、例えば、島本和彦の言魂とか、小泉純一郎のワンフレーズポリティクスみたいに、「言葉のインパクト」で、ある意味無理矢理に相手に自分の思いであるとか意思を相手に分からせる、伝えるというのと、「比較的長い文章」で、それこそ、噛んで含めるように、相手に理解させていくっていう二つの種類があるんではないのかな、と思ったわけですよ。
今、ふと思ったんだけど、前者はギレン・ザビタイプ、後者はデュランダル議長タイプという言い方が出来るかも。
ギレンは、
「私の弟、諸君らが愛してくれたガルマ・ザビは死んだ、何故だ!」
とか、結構インパクトの強い言葉を使っていくんですよね。逆に、デュランダル議長は、そういう言葉を使わないではないんだけど、ギレンみたいにインパクトで攻めていくっていうよりは、切々と語りかけていくような感じなんですよね。そういう意味では、後者に近い気がする。
なんかすげえ話が脱線するけど、ギレンとデュランダルは、結構対照的で、比較すると割と面白いんじゃないかと思う。例えば、どっちも演説で聴衆に「問いかけ」をして、それに対する「回答」をもってくるんだけど、その辺の呼吸とかが違う気がする。
ギレンは、
「我々は一人の英雄を失った。これは敗北を意味するのか?否!始まりなのだ!」
っていう風に、「意味するのか?」って問いかけて、即座に「否!始まりなのだ!」っていう回答を持ってくる。
一方で、デュランダルは、問いかけをした後で、ちょっとだけ間をおいてから、回答を持ってくるんだよね。*1
この間は、その問いかけが、聴衆の中に染みこむのを待ってるんだと思う。つまり、例えば(大体こんなような台詞だったと思うけど)、
「何故こんなことをするのです」
とか言うと、聴衆は、
「本当だ。何故こんなことをするんだ」
とか思う。んで、そこにすかさず回答を提示してやる、みたいな感じなんじゃねえか、とか、そんな気がする。
まあ、そりゃどうでもいいんだけどさ。


んで、なんとなく思ったのは、文章を書くときは、
インパクト」

「分かりやすさ(情報量)」
という二種類の伝達力・伝達方法を意識するといいかもしれんなあ、ってことなんだけどね。
ぶっちゃけた話、この二つを、一つの言葉・文章の中で両立させるのはかなり難しい。
分かりやすくしようとすれば、必然的に文は長くなってしまうけど、そうなればなるほど、インパクトは薄れてしまう。なので、無理に両立させようとはせずに、各々の文をどちらかに特化させる方がいいと思う。
あと、これは個人的な好みの問題かも知れんけど、どっちかっていうと、「インパクト」の方に分類される文は、その文章全体に占める比率的には、やや控えめにしたほうがいいんじゃねえかと。多分、それって「必殺技」みてえなもんなんじゃねえかと思うんですよ。「必殺技」ってな、バカスカ使うもんじゃなくて、ここぞというときに使ってこそ、その意味合いが増すからねえ。*2
島本和彦の漫画にしても、大体そんな感じなんじゃねえのかな。まあ、島本漫画の場合、ややインパクトの弱い台詞の間に、すごいインパクトの強い台詞が入るとかそんな感じのような気もするけど(笑)。


つか、これって要するに文章の緩急の話のような気もするなあ。そういう風に考えると、ギレンは緩から一気に急まで行くけど、デュランダルはゆっくりと行くっていう風に考えることも出来るかもしれん。
なんにしても、良い文章とか、印象に残る文章ってな、この辺のバランスやなんかが良いっていうこともあるんじゃねえのかなあ、とか思うのであった。*3


……いかん。書いてるうちに眠たくなってきて、何書いてるのか良くわかんなくなってきた(笑)。
というわけで、今日はこの辺で。

BGM:「Vermillion」石川智晶

*1:確か、そんな感じだったと思う。うろ覚えだけど。

*2:まあ、あんまり一概には言えないような気もするが。

*3:ていうか、ギレンとかデュランダルのは、あくまでもアジ演説だから、普通の文章とはちょっと違うような気もするんだが(笑)。