ここまでわかった森友問題:ゴミ編
知ってる方も多いかとは思いますが、既に
国でさえも、値引きの根拠になったゴミがあるとは言えなくなってる
んですよね。
まず前提として、問題になってるゴミは、三メートルよりも深い部分から出てきたというゴミであって、そこより上の浅い部分のゴミに関しては問題になってないわけです。
(強調下線は筆者。以下すべて同じ)
○政府参考人(佐川宣寿君) 新たに発見されたマイナス要素という御質問でございますが、先ほどから申し上げておりますように、この平成二十二年当時の調査で、この土地には浅いところ、三メートルぐらいまでのところまでに土壌汚染なり埋設物があるということは分かっておったわけでございます。そういうことを前提に契約もし、有益費の条項も入っているわけでございますが、二十八年三月、これはもう貸付契約が終わってまさに学校建設の工事がやっている真っ最中でございますが、その時点で掘削部三メートルよりも深いところから新たな埋設物が出てきたということでございますので、この土地についてそういう要素を考慮するということを申し上げております。
(参照:平成21年度 大阪国際空港豊中市場外用地(野田地区)地下構造物状況調査
(仮称)M学園小学校新築工事 地盤調査報告書
たつみコータロー日本共産党前参議院議員(大阪) | 政治を動かす行動力、日本共産党 前参議院議員 たつみコータローのオフィシャルサイトですより)
そしてその三メートルより深いところってのがどういうところなのかというと、
○会計検査院長(河戸光彦君) 森友学園による小学校新築工事に係る地盤調査報告書等によれば、おおむね地下三メートル以深は沖積層等が分布しているとされていることなどから、くい工事において新たに確認されたとする廃棄物混合土は、既知の地下三メートル程度までに存在するものであることも考えられるところでございます。
これを踏まえますと、新たに確認されたとする廃棄物混合土がどの程度の深度に埋まっていたかについては、十分な確認を行う必要があったと認められるところでございます。
○会計検査院長(河戸光彦君) 沖積層とは、約一万八千年前より後の最終氷期以降に堆積した地層を指すとされていると承知しております。
(参照:学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査の結果についての報告書(要旨))
まあ人間の尺度で行くとかなり古い地層なわけで、
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
平成二十八年三月十四日の現地確認行いましたが、その前年の十一月末時点では確認されなかったにもかかわらず、九・九メートルのくい掘削工事の過程において発見された廃材、廃プラスチック等のごみを大量に含む土が広範なエリアに積み上がっていることを確認したところでございます。
現地確認に当たりましては、工事関係者からのヒアリングにおきまして、くい掘削工事九・九メートルの相当に深い層から廃材、廃プラスチック等のごみが出てきたとの報告があったほか、くい掘削時の工事写真におきましても、掘削を終えた掘削機の先端部に絡み付くほどの廃材、廃プラスチック等のごみが発生している様子や、全長十メートルのドリルで掘進している最中に廃材等のごみを含む土が発生している様子などが確認されております。
本件土地につきましては、昭和三十年代当時、池、沼であった土地であるため、当時ごみが不法投棄されたり、その後の宅地化の過程において廃材、廃プラスチック等を含むごみが混入し、そうした深い層から浅い層にこれらのごみが存在することが十分に見込まれることから、九・九メートルまでごみが埋まっていると判断したものでございます。
なお、国土交通省の直轄工事におきましては、土砂内から廃棄物が出てきた場合には廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき対応することとなっており、地盤の掘削等建設工事の事業活動に伴い廃棄物が生じた場合は、産業廃棄物と判断し、産業廃棄物処分場で処分しております。
そのずっと下、9.9メートルまで、プラスチックだのなんだのがあるって言ってたけど、それは考えにくいだろうという話なんですよ。
つうか一万数千年前って縄文時代ぐらいだからな。
旧石器時代から古墳時代までの年表|東京都北区
そんなところからプラスチックが出て来たら縄文土器先生もびっくりだろ。
で、会計検査院にこう言われて、流石にもうゴミがあるとかその可能性があるとか言えなくなったんでしょうね。
○石井国務大臣 森友学園への国有地売却等に関しまして、参議院からの要請に基づき、会計検査院による検査が行われてきており、これまで国土交通省としても最大限の協力をしてきたところであります。
今回、会計検査院から、今御紹介ありましたように、仮定の仕方によっては処分量の推定値は大きく変動する状況にあることなどを踏まえれば、撤去、処分費用を算定する際に必要とされる慎重な調査検討を欠いていたこと、また、文書の一部が保存されておらず、詳細な内容を確認することができないことなどについて指摘をされているところでありまして、国土交通省といたしまして、その結果については重く受けとめなければならないと考えております。
大阪航空局が実施をいたしました地下埋設物の撤去、処分費用の見積もりにつきましては、これまでも国会等において御説明しておりますとおり、売り主の責任が一切免除される特約をつけることを前提といたしまして、その実効性を担保するため、既存の調査に加え、森友学園からの新たなごみの報告や職員による現地確認など、当時検証可能なあらゆる材料を用いて行われたものでございます。
この当時の大阪航空局の見積もりは、限られた時間の中で検証し、見積もりを報告しなければならない状況でありました。実際には、平成二十八年三月三十日に近畿財務局から見積もりの依頼を受け、四月十四日に報告をしている、約二週間で実施をしたわけですが、こういった状況下で行われたぎりぎりの対応であったと認識をしているところであります。
ただ、今般の会計検査院の御指摘を重く受けとめまして、今後同様の事務を遂行する場合には、見積もりに必要な作業時間をしっかりと確保した上で、より丁寧な事務の遂行に努める必要があると考えております。
要するに、今度は、「当時」はそう思ったんですよって言い始めたわけですよ。
だから、この時点で、もうゴミのあるなしは終わってんです。だって「当時」はそう思ったんですってことは、「今」はそう思ってないってことですからね。
そうすると、次に問題になるのは、本当に「当時」はそう思ってたのかってことなんですよ。
何せ、見積りやった国土交通省は、自分達には専門的な知見があるし、この土地のこともよく知ってるんだって胸張ってたわけですから。
○政府参考人(佐藤善信君) お答えを申し上げます。
三月一日の予算委員会におきまして、私は、大阪航空局は撤去費について見積り、算定を行ったことはないという答弁をいたしましたが、この趣旨は、近畿財務局の依頼により土地の売却に当たって産業廃棄物の撤去処分費用の積算を大阪航空局が行った実績はないという趣旨で答弁をしたものでございます。大阪航空局が全く見積りの経験がないという意味ではございません。
大阪航空局は、土木、建築等に関する技術職の職員を擁する組織であり、空港土木建築工事の発注において自ら工事積算基準等に基づき積算を行っているところでございます。
それから、本件……(発言する者あり)はい。
それから、廃棄物という、今ありましたですけれども、大阪航空局において発注をいたしました空港土木建築工事のうち、産業廃棄物の撤去処分を含むものがどれぐらいあるのかということを申し上げますと、平成二十七年度は四十八件中全件、平成二十八年度は五十三件のうち四十九件となっておりまして、ほとんどの工事契約において産業廃棄物の撤去処分を含んでおり、これらの積算に関する知見を有しております。
さらに、加えて、この土地につきましては平成二十二年に大阪航空局が地下構造物調査を行っており、この土地についての知見も十分に有しているということでございます。
そんな人たちが、当時は一万年前ぐらいのところからプラスチックが出たと思ったんですって、おかしくねって話になるわけです。
国土交通省の専門的知見を持った人たちが、どっかの猫よろしく、
「縄文プラスチック、ヨシ!!」
ってやったとは信じられないし、信じたくない。
んで、実際、三メートルより深いところからはあんまりゴミ出てないけど、出たことにしましょうやっていう録音が既に出てるわけですよ。
【工事業者とみられる人物】
「3mより下からは語弊があります。3mより下から出てきたかどうかは分からないですと伝えている。そういうふうに認識を統一した方がいいならなら我々合わせるが、下から出てきたかどうかは、私の方から、あるいは工事した側から確定した情報として伝えていない」
【池田靖国有財産統括官(当時)】
「資料を調整する中で、どういう整理をするのがいいのかご協議させていただけるなら、そういう方向でお話し合いさせてもらえたらありがたい」
【工事業者とみられる人物】
「3mより上からの方が(ゴミは)たくさん出てきている。3mの下からっていうのはそんなにたくさん出てきていない」
【国側の職員とみられる人物】
「言い方としては“混在”と、“9mまでの範囲”で」
【工事業者とみられる人物】
「9mというのは分からないです」
でも、国側は音声データが本物であることは認めるけど内容は認めないと。
【財務省 太田充理財局長】
「あくまで新たな地下埋設物の撤去費用を見積もるために資料が必要だということから、様々な資料の提出をお願いした。
委員が指摘するような口裏合わせをして地下埋設物の撤去費用を見積もろうとしたということはない」
まあ、森友の件に限ったことじゃなくて、昨今の流行りですけどね。録音があっても認めないっていうの。
ちょっと話がずれましたけど、森友に戻って、さらに言えば、試掘報告書の写真に深いところのゴミ写ってねえだろと。
森友国有地の値引き根拠とされたゴミについて、野党側が試掘調査報告書の写真をデジタル解析したところ、地下3m以深にゴミが見当たらないことが判明。ところが財務省は「値引きは総合的に判断したもの」として、写真についての所見を語りません。あまりにも不誠実です。本日の野党合同ヒアリングにて。 pic.twitter.com/uQ2X3QgGUY
— 清水ただし (@tadashishimizu) August 2, 2019
ついでに言っておくと、赤木さんの元上司が奥さんの前でしゃべったことにも、色々おかしいポイントがあります。
・(値引きの根拠となる)地下埋設物がどれだけ埋まっていて、どれだけの(撤去)費用がかかって、どれだけ売り払い価格から控除しなければならないかというところを、自分たちは最後まで調べようと努力したんです。(国有地を管理していた国土交通省の)大阪航空局のせいにするつもりも今さらないんですけど、彼らは動かなかったんです。売り払いの鑑定評価をするにしても、地下埋設物の調査をするにしても、航空局が(財務省の)主計局に言って予算を取って、それで動かす。我々は予算を取る権限がない。自分らでスコップで掘って調べるわけにはいかないですから。
・航空局が持ってきたのが8億だったということで、それを鑑定評価額から引いたというだけなんです。8億の算出に問題があるわけです。確実に撤去する費用が8億になるかというところの確信というか、確証が取れてないんです。
要するにこの人の言ってることは、
「自分たちは調べようとしたけど航空局はそうしなかった。撤去費用八億が正しいかどうかはわからなかった」
ってことでしょ。
でも、国の主張は、
「一生懸命調べた結果、当時は正しいと思った」
ってことですからね。
もうこの時点で国の主張とは違うわけです。
更に言えば、この人は音声データの中でしゃべってる当人ですから、工事業者が『3mの下からっていうのはそんなにたくさん出てきていない』と言ってるのも当然把握してるわけです。
というわけで、ゴミの話の現状をまとめると、
ゴミの有無は既に通り越して、最初から無いと分かっていただろうという話になっており、それを裏付ける録音も写真もあるが、国は断固として認めず、当時は一万年前ぐらいのところからプラスチックとかが出たと思ったんですと言い張り続けている。
ということになります。
冗談やろって思う方もいるでしょうけど、冗談ならどんなによかったか。
まあ、なんでこんな無茶苦茶なことを言ってまで認めようとしないのかはわかりませんが。
それでもあえて言うなら、まず、尻尾切りできないってことでしょうね。
籠池夫妻が本省まで行ってゴミの話して、本省の人が報告は受けてるって答えてるから、近財が勝手にやったことで本省は知らんって言えないですもん。
財務省幹部に「あの方を愚弄」 籠池氏、土地交渉巡り:朝日新聞デジタル
しかも、過程に思いきり関わってるから国土交通省も巻き込むことになる。
その上、ないってわかってるゴミを何故あることにしたのかっていう理由が説明できないんでしょう。
だってそんなことやっても国側が不利になるだけなんで。
端的に言うと、深いところにゴミがあるということになると、国が損害賠償請求される可能性が出てくるんですよ。
つまり、ないゴミをあることにするっていうのは、自分たちに対する損害賠償の根拠をわざわざ作ってるってことになるんです。
(参照:森友の交渉記録の話 - 一切余計)
何でそんなことせなあかんねん。
ちなみに写真見てわかるように浅いところにはゴミが残ってるんですけど、これは国の責任じゃなくて森友の責任になるので、これがあっても国は損害賠償しなきゃならんということにはなりません。
○政府参考人(太田充君) 民法上、土地の借り手が所要の工事を実施した場合には貸し手はいわゆる有益費を支払うということになってございます。こうした中で、借り手においてどういった内容の工事を具体的にどのような手順、工程で実施していくのかという点については借り手の方の事業判断であるということでございます。
本件におきましても、学園側において具体的な手順、工程等を検討されて順々に撤去、処分を進めることとされたんだろうと思いますし、まずはコンクリート等について撤去を実施されたというものと承知をしてございます。
○辰巳孝太郎君 なるほど。つまり、森友の判断ということですよね。
これ、重要な前提だと思うんです。貸主たる国はごみがあると明示を契約書でして、それを撤去した場合は補償、これも契約書で約束をしている。一方、借主たる森友学園も、ごみの存在を了承した上で、何を撤去して何を撤去しないのかということは森友側で判断をすると、つまり森友の責任の下で森友が判断してごみを残したと、こういうことだと思います。
ちょっと確認しますが、ということは、一旦残しておくと決めたごみを、後日、また数か月後に改めて撤去したいということになって、その結果として小学校の開設が遅れたとしても、元々ごみを残してきた責任は森友学園にあるわけですから、開校の遅れについても森友学園の責任ということでよろしいですね。
○政府参考人(太田充君) 基本的には先方の判断でやられたことということでございますが、あとはその工期なり開校の遅れのところがどちらが責任があるかということの判断だろうと思います。
○辰巳孝太郎君 つまり、私の今の質問、お認めになったということですね。森友学園の責任で置いてきたごみについては、それを後日やっぱり撤去したい、だけどそれは開校に遅れちゃうと、だけどそれはもう森友学園の責任ということですね。もう一度確認します。
○政府参考人(太田充君) 先方が撤去するのを順次やっていますので、そこ
の具体的な、そのときに生じた、そのときのタイミングなり具体的な状況に応じたということだとは思いますが、基本的に先方がそういう判断をして先方の判断の結果として遅れれば、それは先方の責任ということだろうとは思います。
○辰巳孝太郎君 これは大事な答弁だと思います。つまり、残されたごみについての補償については国の責任はない、損害賠償をされる、そういうおそれはないということであります。
要するに森友が既に浅いところのゴミを撤去する工事をやってる以上、その後で残ってるゴミは森友が自分達で判断して残したってことになって、その責任は当然森友が負うことになると。
だから、たまに、この浅いところに残ってるゴミのせいでそれをしたんやって言う人がいますけど、それが理由だというのも考えにくいわけです。
これまだ籠池夫妻が深いところからゴミが出てきたっていう嘘をついて国は騙されたんだとかいうなら話は分かりやすいですけどね。
でもそれも話が通らない。
もしもそうだとしたら、業者側が深いところからゴミが出てないって言った時点で「話が違うやんけ」って気付かんとおかしいし、そもそもに深いところのゴミ言い出したの森友じゃなくて国側なんで。
(上述の過去記事参照)
もしこの路線で行くんなら、最早騙されたとかじゃなくて催眠術とかテレパシーとかで操られたとでも言わんと無理じゃねえのかという気がします。
そんなわけで、この値引きはいろんな意味で無茶苦茶なんですわ。
安倍さんなんか、
○安倍内閣総理大臣 私の答弁でですか。私は、価格が適正だということは申し上げたことはございません。
私自身が申し上げたことは、理財局も、そして当然近財局も、法令にのっとって国民の財産である国有地を正しい適切な価格で売買をしているんだろう、このように私は信頼をしているところでございますということを申し上げたところでございます。
部下を信頼するのは当然であり、そして、いわば財務省においてそのような答弁がされている、そしてそのような答弁がされているということを承知しているということは申し上げたところでございますが、私が調べて私が適切であるということを申し上げたことはないわけでございます。
これは調べていただければ明らかだろう、このように思います。
「自分は適正とか言ってねえし」とまで言い出す始末。
にもかかわらず、未だに、
赤木俊夫氏を自殺に追い込んだのは誰か | アゴラ 言論プラットフォーム兎に角野党が悪いという主張は支持しませんが、そもそもあの土地取引は不当だったのかという点を批判者側が綺麗にスルーしているのは気になる。/不正という前提で発言している人が大勢いたわけじゃないですか。
2021/06/27 07:12
とか言ってる人がいるんですね。
……もう、言葉を失ってしまいますわ。
正直疲れたので今日はこの辺で。
(20211022追記)次→ここまでわかった森友問題:お隣の野田中央公園編 - 一切余計